仙台で生まれて25年間すごして、ひょんなことから関西の人に嫁ぎました。 和歌山在住。 家族は主人と京都に暮らす大学生の娘、13才でお星さまになったコーギー犬リリィです。

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2007年11月13日

漆器祭り

11月の第二土日は隣町の「漆器祭り」

隣町の「海南市」は藩政時代からの漆器の街。
かつて、漆器を運び出すために利用された運河のあとが埋め立てられて「堀端通り」となり、その通りが祭りの会場になる。
ふだんは静かな職人の街がこの日ばかりは活気であふれる。

通りの両脇に地元の漆器店や婦人会などの店が露天に並び、塗りのお椀や蒔絵の盆などが手頃な値段で販売される。

7年ほど前になるだろうか、今は亡き母が最後に我が家に来たときにこの祭りを訪れた。

「お仏壇にご飯とお水をあげるとき使う小さなお盆と、小ぶりのお椀が欲しいわ~」
そういって、露天のお店を冷やかしながら見て回り、値切り上手の母は、かなりまけてもらって20㎝ほどのお盆を500円で、お椀を一個100円で5個購入。。。
「いいおみやげができた。」と喜んでいた。

祭りの最後に「漆器会館」に立ち寄って、塗りの小さなジュエリーボックスを見つけた母は、

「なぁ、これ、仙台の孫娘達の成人式のお祝いにいいなぁ。赤いのと朱色のと。。。」
そして私に、
「あんた、これ、あの子達の成人式の時、祝いにかってやってくれない?私はそれまで生きてないだろうから。」

母はそのときすでにガンの末期で、数週間まえに同じ病気で父を送ったばかりだった。
同じ病気に倒れた父を支えながらガンの告知を自ら受け、病状をしっかり把握しながら死に支度をしていた母だった。

その母が、決してみることはできない孫達の成長した姿に思いをはせた言葉だった。

その思いを3年前に姪の長女に贈った。そして今年は次女に贈るため、「漆器祭り」に足を運んだのである。
11月でも暖かい日が続くこのあたりだが、なぜかこの祭りの日はいつも肌寒い。

近隣の「おばちゃん達」が買い物袋をさげて露天を見て回り値切ったりしていた。
久しぶりに来ても変わらない田舎町の風景の中、その雑踏に母がいるような気がしてふと立ち止まった。

母ちゃん、まぁちゃんにも「天国からの贈り物」買ってきたよ。
請求書は、いつか私が天国にいくときまで預かっておくわ。

  


Posted by リリィ at 23:15Comments(0)