仙台で生まれて25年間すごして、ひょんなことから関西の人に嫁ぎました。 和歌山在住。 家族は主人と京都に暮らす大学生の娘、13才でお星さまになったコーギー犬リリィです。

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2008年02月18日

お雛様



やっと飾った。 お雛様。

これは娘のではなくて、私の。

前にも書きましたが、幼くして亡くなった姉の代わりに生を受けた私。

今度こそ、健康に、元気に育ちますようにと、
母方の叔母や両親が少しずつ買ったくれたものだという。

お内裏様は両親、三人官女は母の姉にあたる伯母、五人囃子は母の妹の叔母。。。

初めから、5段飾りのみだった。
雛壇は三人官女を買ってくれた伯母の連れ合い、私が3才の時に亡くなった伯父が廃材で上手に作ってくれた。
長年飾っているうちにねじがゆるみグラグラするようになって板も割れてしまい、結婚してから両親がスチールのものに買い換えてくれた。
6段以下のお飾りがないので、うちにあった小さなお人形をいつも一緒に飾っていて、下段のお人形はお雛様とは関係ないのだがいつもこの子達込みで飾って、仕舞うことにしている。

小さい頃、私はお雛様がとても怖かった。
夜、豆電球に照らされるお雛様が、いつも私をみているようで、動いているようで、お雛様が飾ってある数週間は夜の水分を控えて夜中におしっこに行かないように注意した。

だって、振り返ったらお雛様がついてきているようで。。。

そんな頃、アニメ「ひみつのあっこちゃん」で、
飾ってもらえないお雛様が鏡の精に箱から出してもらえない悲しみを訴えるというお話があった。

「私たち、一年に一度しか箱から出してもらえないのに、最近はその一度のお祭りにも飾ってもらえない。
暗い箱の中で、悲しい、悲しい。。。。」

それをみてから、どんなに仕事が忙しくても、たとえ三日間であっても、箱からだし、「今年もあえたね」と声をかけ、
今年も健康でいつものようにお飾りができることを感謝して飾ることにしている。

仕舞うときも、「来年も健康でまたあえますように。またあいましょうね。」と一体一体声をかけ紙を巻いて箱に収める。

こんなにめんどくさい作業ができるのは健康だからだし、生活に余裕があるからだしとおもって。

「今度こそ、健康で大きくなって。。。」

私をはぐくんでくれたまわりの人々の願いをもって、私の元にきた人形達。
色あせた着物が年月を感じてしまうが、小さい頃から見慣れた懐かしいお顔でいてくれる。

和歌山には、「加太淡嶋神社」という神様があって、毎年三月三日に白木の船に奉納された人形をのせて海に流す「ひな流し」の行事がある。

境内にはおびだたしい人形が納められ、紅い社殿と相まって不気味な厳粛さを持っている。

私が歳をとって、お雛様を自力で飾れなくなったら、ここへ納めてもらおうと思っている。
ここなら、寂しくないかもしれないから。

みんなの思いを、ゴミにはできないもの。  


Posted by リリィ at 00:01Comments(2)