仙台で生まれて25年間すごして、ひょんなことから関西の人に嫁ぎました。 和歌山在住。 家族は主人と京都に暮らす大学生の娘、13才でお星さまになったコーギー犬リリィです。

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2008年06月23日

今日のモーニング



昨日の夜勤明け、また「桜珈琲」へ。

この日は仕事は早く終わったのだが、月曜日に退院する患者様へお別れを言いに

病室に立ち寄って話し込み遅くなった。

患者様は60代の女性。

筋力が衰えていく病気を持っている。

発病して10年。

介護する家族の休養のための一時入院だった。

持ち込まれた介護用品はよい物がそろっていて、大切にされている方だなと思っていた。

筋力が弱いので発声も強くはできない。

初めはコミュニケーションにも苦労した。

関わるうち、時々、パニックのように全身の苦痛を訴えることがあった。

小さい子供のように、細い甲高い声で「怖い、寂しい、つらい」と訴えた。

家族は面会に来ても、30分も滞在せずに帰っていく。

ご主人は、よくしてあげているようでなんだか自分本位に見えた。

。。。もしかして、この患者様は、孤独なんじゃないのかな。

携わって3週間、突然退院が決まった。

退院にあたって、フォロー先になる訪問看護あてに

よけいな補足かもしれませんが。。。と彼女の精神的な援助をお願いする手紙をつけた。

身体は動けなくても、心は家族を心配する妻であり母であり一人の女性である。

世話をされるだけの人形のような生活を望むわけはない。

なにもしてやれなくなったことで、家族から切り離されたように感じ、

できないから頼むことを、わがままととられ

病気の進行におびえる心を、仕方ないと処理されてきた。

ひとりぼっち。。。

お別れのご挨拶だけをするつもりが、

私の独りよがりかもしれませんが、と

この手紙の話になった。

「そうなんです。よくわかってくださって。。。とてもとても寂しかった。誰もわかってくれなくて。

私の人生ってなんだったのかなって悲しくて。。。」

将来、遠からず自力で呼吸ができなきなる日が来る。

でも、機械に生かされるようになっても

お母さんは生きていて欲しいし、そこにいてくれるだけでいい。

本当に介護が負担なら、専門病院に入院させるという手もあるが、家族は在宅でみるという。

「けっして、一人ではないですよ。うまく心が伝えられないだけです。

少なくとも、私とここのスタッフはあなたの心を理解しました。

家族なら、もっと分かり合えるはずです。」


曇天の今日、

彼女は退院していったはずだ。

小さく、細くなった手を振って。


神様、どうか彼女に

穏やかな日々をお与えください。


  


Posted by リリィ at 15:55Comments(2)

2008年06月23日

夏の香り



「みょうが」が安くなってきた。

実家の北側の庭の一角にミョウガが植えてあった。

季節になると、母が毎朝つんできて、我が家の食卓はみそ汁もお浸しも漬け物も

ミョウガ尽くしになった。

台所で、ミョウガを刻む母の姿が見える気がする、

夏の香り。
  


Posted by リリィ at 15:09Comments(0)