仙台で生まれて25年間すごして、ひょんなことから関西の人に嫁ぎました。 和歌山在住。 家族は主人と京都に暮らす大学生の娘、13才でお星さまになったコーギー犬リリィです。

2011年10月05日

看護師を目指すということ

今月も、病棟には看護学生さんが実習にやってきていた。

最近は看護学校にも男子学生さんが多く学んでいる。

今回も、一人、男子学生さんがやってきた。

どちらかというと女性的な仕事の多いこの職種。

現場の男性比率はまだまだ低いが、それでも近年は増加傾向だ。

男の子は、女子学生より仕事としての意識が高く、意欲的だったりするものなのだが。。。

今回の男子学生さんは、なんだか初めからいまいち意欲が見えず

仕方なく来ている。。。的な雰囲気をかもし出していた。

見学中も椅子に座り、膝に腕をついて猫背でぼんやりしていたり

情報収集もアセスメントもアプローチもなんだか薄く。。。

実習4日目の雨の日、通学途中に単車で転んだと休み、

翌週も熱があるといって休み。。。

途中、台風で警報が出て休みになった日もあって、6連休になったりして

受け持ちの患者さんとも十分な関係性を構築できないまま

二週目の中盤、ついに「リタイヤ」

実習中断となった。


彼は、なぜ看護師になろうと思ったのだろう。。。

くわしい事情はわからないが、

担当教員の話のニュアンスから「親の薦め」だったのかなと。

かといって、「これがしたいんだ」という、彼の目標もはっきりないらしい。


奨学金をもらっていて、「就職先」も決まっている。

卒業まであと半年だ。


親御さんとしたら、とにかく資格だけでも取ってくれと思うだろう。


でも、この仕事に少しでも心動かされるものもなく、

評価されることばかりが気になり

自分でいっぱいいっぱいになってしまう者が

病む人に寄り添えるだろうか。。。?



医療職は就職難がまずない。

どちらかというと引く手、数多(あまた)。

特に看護師は「食いっぱぐれ」はない。

パートでも時給は高い。

国家試験での資格は、全国どこでもどんな土地でも仕事はある。

この不況の最中、「いい仕事だよ」と親御さんも薦めたのだろう。

きっと素直な彼はそれを拒む理由もなく、専門学校を受けてみたら受かってしまった。。。

気が進まないけど、やってみれば好きになるかも。。。と入学したのかもしれない。


しかし、素人さんが思うほど、この仕事は簡単でも楽でもなく

募集が常にあるということはそれだけ「離職」も多いということで

精神的にも肉体的にも「きつい」仕事だったりする。

自分の中に少しでも「やりがい」を見いだせなくては「やっていけない」仕事なのだ。



いま、彼は休学か退学か、決断を迫られている。

二つの領域実習をリタイヤしたので、同期と一緒に卒業はもうできない。



彼の話をしたとき、担当教員の先生は

「彼に、この仕事を好きにさせたあげられなかったのは、私たちの力不足だと。。。」

私なら、やめちまえっといってしまいそうだが、

医療界に「看護師を送り出す」使命を持った教員には、学生を導けなかったことが

心から無念なのだなと思った。


やっぱり、私に教員は無理だな。。。



自分のやりたい仕事が、社会に用意されているわけではないし

職業人のほとんどが、楽しく仕事をしているわけではないと思う。

向いてないな、と思いながら、仕事を遂行しているのが「大人のジレンマ」かもしれない。


しかし、その仕事のどこかにキラリと光る何かを見つけるから

それを生業にしていけるのだと思う。

仕事は、死なないための手段ではないと思いたい。



看護の世界にもう一度戻ってくるにしても、進路変更するにしても、

彼の将来に、一筋の光を見出して進む道を選んでほしい。


がんばれ、若者!!!































Posted by リリィ at 12:53│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
看護師を目指すということ
    コメント(0)