リリィ的三丁目の夕陽

震災まで勤めていたかつての職場だった病院の

ドクターが主催する学習会がまた開かれた。

三ヶ月ぶりに神戸へ。

子供達とよくメールするらしい先生の連絡メールは絵文字満載でいつもかわいらしい。

しかも、返信が早い。

ひとつ上のはずだからいいおっさんなのに『マメ』

どんなに困難な症例でも、何日も医局のソファーで仮眠しても

いつも楽しそうに仕事をしていた。

スタッフみんなを信頼してくれた。

そんな先生の人気はいまもかわらない。

遠方から足を運ぶかつての『同僚』を先生は快く迎えてくれた。

昔話もして、生意気盛りだった30代前半を昨日のことのように思った。


阪神大震災から今年で17年、あの日生まれた赤ちゃんたちも高校生になるというのに

私の中の神戸はまだ火災と倒壊した家屋のニオイのする灰色の街なのだ。

電車から見える沿線の風景も、町並みもすっかりきれいになって

高層マンションが建ち並ぶきれいな街に生まれ変わっているのに

歩道も道も崩れたり割れたりしてなんかいないのに

かつての職場だった病院までの道には

当時の風景がフラッシュバックして重なる。

振り返ればまだ4才だった娘があとをついてくるような錯覚をする。

いつまでも、ここで闘い続けなかったことを悔やむ。
ひとりよがりだとわかっている。

もう、いいんだよ、ちゃんとお前もがんばったよ、


そう自分に言い聞かせ、目に映る現実の風景が現実なんだと言い聞かせる。


学習会に参加して知識を得ることも、先生にお会いすることも神戸にくる目的ではあるが

ついでに、私の心のリハビリを。。。



忍び寄る再びの大災害に遭遇しても、

折れない自分でいられるように。


今回も、リハビリ、がんばりました！

晴天の神戸は海がとてもきれい。


深呼吸してお土産かって、帰ります。