命拾い

リリィ

2011年12月10日 23:52





今日、お昼に「おやつくれよ!」ってほえる愛犬リリィに

パン袋にちぎったパンを入れて、ポンってあげた。

いつも、袋をがさがさしながらちょっとづつパンを食べるので

長い間、遊んでおとなしくしている。

でも、今日はちがった。

パンをいつもより早く食べだした。

私は食事をしていたのでリリイに背を向けて

食べだしたところで

ブルブル、ブルブルっと頭をふるリリイに気づいた。

「あれ、なにして・・・」

前足で顔をこすり頭を千切れんばかりに振っているリリイの舌が

チアノーゼで紫になっていた。

パンをのどに詰まらせていたのである。



あわてた。

背中をたたいても吐き出す気配はなく

胸郭は動かない。

意識はあるのでわずかに空気は通っているのかも知れなかった。

かまれるのを覚悟で口に指を入れ気管が確保できないか試す。

指先にぬるぬるしたパンの塊が触れたが取り出せない。

一か八か、押し込んで身体を縦にして背中と胸をたたいてのどをさすって・・・。


ちょっと舌の色がピンクになってきたのを確認。

動物病院に電話。

病院が電話に出たところで、やっと「ワン!ワン!」と吠えた。


電話で「お世話になっているリリイです。いま、窒息しかけて。。。

声が出だしたから大丈夫だとは思うけど、連れて行きます。」


本人も、びっくりしたのかキョロキョロ。

私が大きな声を出したので、しかられたときのような「シュン」とした表情をしていた。


車の中でもじっとして病院まで。

レントゲンを撮ってもらったが、特に残留物はなく、飲み下してくれたようだった。

先生は、てっきり神経麻痺が進行して呼吸困難になったかと思っていたらしい。

「なんだ、パンか。。。一緒にいたのがお母さんでよかったな。お父さんなら死んでたな。。。」

笑い話でよかった。。。


看護師さんたちが代わる代わる、「なにしてんのリリィ、あわてて食べたらあかんよ」

みんなでなでてくれて、小さくした好物の「カワハギ」のおやつをくれて

おなかの毛を刈って、耳掃除して、つめを切ってとフルコースでしてくれた。


今後も、起こると思って、

パンやビスケットは湿らして小さくしたのを一個づつ

牛皮のガムはあげない

ドライフードもミルクか水をかけて


あと、気管を詰めたときの対処方法を聞いてきた。



よかったよ〜。

どんなに大切な家族でも、犬に救急車は来てくれないもの。

仕事で幾多の急変を見てきても、

「我が子」の急変には電話をする手が震えた。




京都の娘にメールしたら、

「そういうのやめてよ〜」って。



お母さんだってやだよ。

神様、まだ、この子を連れて行かないでください。。。。