仙台で生まれて25年間すごして、ひょんなことから関西の人に嫁ぎました。 和歌山在住。 家族は主人と京都に暮らす大学生の娘、13才でお星さまになったコーギー犬リリィです。

2008年01月07日

1月7日

今日、テレビで平成元年から今年までの流行語とか出来事とか特集している番組をやっていた。

思えば、小渕さんの「新しい元号は”平成”であります」というニュースを私は勤務していた手術室の休憩室でみていた。

私は1月いっぱいで退職し、翌月には嫁ぐことになっていた。
その最後の救急当直の日、昭和が終わったのである。

「平成」という元号に、「え~、へんなの~。。。」と独り言をいいながら、遅い夕食をとっていた。
半分食べ終わった頃、電話が鳴った。

「はい、当直です」
「救急車はいります。心肺停止の男性です。」

事務当直からだった。
心肺停止か。。。

考えられるだけの準備をしながら、当直医の研修医に連絡して、ついでに一緒に当直してくれている外科の先生にもコールして急患室で待機した。

研修医の先生は3年目の女医さん。
「頼りにしてるわね。おねがいね~。」といささか自信なげだった。

救急車のサイレンが近づく。
到着、搬入、
患者さんは情報通り、心肺停止、心臓マッサージを受けながらの搬入だった。

1時間にも及ぶ救命処置を繰り返したが、患者さんは戻ってきてはくれなかった。
死亡確認。。。

昭和が終わって新しい時代になったとお酒を飲み、そのあとお風呂に入って大声で歌っていたのにそのまま静かになってしまった、見に行ったら湯船に沈んでいたのだと。。。奥様。。。

女手で引き上げたのだろう、あちこちに傷。。。
暖かい身体だった。

そのあと、いろいろあったのだけど、突然のことに呆然とする奥様に、私は充分関わってあげることもできず、ただ淡々と「作業を」してしまったことを今でも悔やんでいる。

お見送りをして、急患室を片づけていると当直の研修医の先生が手伝いに来てくれた。

「ありがとう、今日の当直、あなたでよかった。(看護婦を)やめないで続ければいいのに」

結婚したら、看護師はやめようと思っていた。
ただの奥さんになって、ただのお母さんになって、暮らそうと。。。

暗く、静かになった外来の廊下で、ふと立ち止まった。

「これは、仕事を辞めるなってことかな」

一人、つぶやいた。

あれから20年か。。。。。。。やめないで、よかった。。。。。のかな。



Posted by リリィ at 23:06│Comments(0)
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1月7日
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