仙台で生まれて25年間すごして、ひょんなことから関西の人に嫁ぎました。 和歌山在住。 家族は主人と京都に暮らす大学生の娘、13才でお星さまになったコーギー犬リリィです。

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2009年01月21日

クッキングトーイ

不況なもんだからうちで食事やおやつを作る家庭が増えて、実際に食べられるものが作れるおもちゃが売れている、ってなことを朝の番組でやっていた。

のり巻きやドーナツ、クレープ。

そんなん使わなくても出来るものばかり。

のり巻きなんて、細かい部品まであらったらかえって後片付けのほうが面倒。

うちは娘がアレルギーだったおかげで手作りばかりだった。

誕生日のケーキもクリスマスケーキも買ったことはない。

関西で節分に食べる太巻きも家でかんぴょうを炊いて卵を焼きも作る。

私の母がそうしてくれたから、私も娘にそんな思い出を持たせてやりたかった。
母のように、布団の打ち直しや着物の洗い張りゃ制服を手縫いしてやるほどの手仕事は出来ないまでも、
買えばなんでも間に合う世の中で、
家庭で手間隙をかける大切さを伝えたかった。

おかげで?面倒なことにどんなに疲れていても手作りにこだわる娘のリクエストには答えなければならなくなったけど。

私が子供のころ、朝は母が味噌をすり鉢でする音で目が覚めた。

母が漬けた少し塩辛い白菜漬けと納得と海苔とみそ汁とごはん。

遅刻しても朝ごはんは抜いてはいけないとしかられた。

朝寝坊の私は主婦になっても早起きは習慣つかず、相変わらずのバタバタした朝でパンをかじりながら化粧する。

あんたはほんとに変わらないと、天国の母はあきれているだろうか。

でもおかあちゃん、のり巻きもケーキもクッキーもパンもお節料理も、
世間よりはやっているつもりよ。

孫も、のり巻きを簀巻きで巻けておからを炊ける女子高生に育ったからこのくらいは勘弁してね。

お休みの朝、おかずの海苔の香りにふと両親と過ごした幼い頃の朝を思い出した。

クッキングトーイなんてなくても、台所はワンダーランドだった。

安全で綺麗なおもちゃはなかったけど、切れたり熱かったり難しかったりするけれど、ずんぐりした母の手から繰り出されるものたちはおいしかったし温かかった。

のり巻きなんて簀巻きひとつでできるやんかと

クッキングトーイに否定的だった娘は、また子供に母を伝えてくれるのだろうと思った。
  


Posted by リリィ at 12:59Comments(0)